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探求型学習は、実はそこまで素晴らしくもないんじゃないか説~詰め込みは避けては通れない~

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昨今、「探求型学習」という授業方式が何かと取沙汰されるようになってきました。
その指導内容をざっくり要約すると
「知識の詰め込みよりも、流れや理由を考えたり調べることに重点を置こう」
です。
一見すると、とてもいい内容です。
実際、いい部分ももちろんあります。
しかし、使い方を間違えればむしろ学力や勉強・訓練への耐性が落ちる確率が高まります。
理由は単純です。

 

「人間は質の高い考えに至るためには、大前提として大量の知識や視点が必要だから」

 

です。
また、

 

「自分の頭で考えることばかりやっていると、所詮自分の脳みそ程度のレベルのことしか思いつかないし、視界に入らない。」

 

からでもあります。
悪い言い方になってしまいますが、

 

「最初から自分の脳みそで考えるよりも、自分より頭のいい人間の考えや知識を
 盗んでから改めて自分で考えたほうが、より高いところにより早く到達できる」

 

です。
以下、詳しく触れていきたいと思います。

 

私の見聞きする狭い範囲でさえ、
探求型学習を実施する学校が昨今増えているようです。
しかしここ数年の動向を見ていると、

 

「なんかあまり本質的な内容には思えないし、
 なんなら受験の邪魔だな」

 

という印象です。

 

「思考力や意識の向上につながっているかはなんとも不明瞭なのでわからないが、
 でも結局志望する大学に受からなきゃ何の意味もないのでは?」

 

とも感じています。
受験勉強や詰め込み式の教育から、結果的に目をそらして逃げているだけ
というような印象があります。
「めんどくさい訓練とか、なるべくやらないでレベルアップしたいなー」
というような、レベルの低い怠け心を感じます。
(怠惰にもハイレベルと低レベルが実はあるのです)
探求型学習に関する悪口はここまでにして、
以下具体的に
「考えるよりもまず知識を詰め込め」
が重要であるか語っていきたいと思います。


考えること以上に、知識が重要です。
知識が一定量以上なければ、考えることすら不可能だからです。
知識詰め込みによる基礎体力と筋トレができていない状態で
いくら「高い意識」とか「関心・意欲」とか「学問の面白み」とか言ってみたところで
染み入る下地が作られていなければ、すぐに忘れてしまいますし、
段階を踏んで論理的に思考することもできません。

 

これもまた私見に過ぎませんが、
探求型学習に重きを置き過ぎると、

 

「勉強における基礎体力を落とすだけ」

 

という結果に陥ると私は考えています。
そうなった場合、またさらに10年~20年という歳月をかけて詰め込み式教育に先祖返りすることになるでしょう。
一時期問題になった「ゆとり教育」が結局なんの成果ももたらさず、
むしろ悪い結果を招いたことを受け、制度を改めてカリキュラム数が増えた流れと同じことが起きると予測します。
その意味で、探求型学習は、ゆとり教育と同じ線上に存在するものと言えます。
(単にカリキュラム数を減らすだけのゆとり教育よりは大分マシですが。
 しかし「知識偏重はよくないから、考える時間を増やそう」
 というのは、結局のところ「詰め込み訓練の時間を減らしただけ」です。
 増やすとか減らすことが本質ではなく、詰め込みの時間を確保した上で
 別の質の訓練を掛け合わせることこそが、日本の教育課題の本質です。
 文科省は問題の根本を履き違えています。)

 

探求型学習を重点的に実施した結果、学生の知力向上という側面において
なんらかの成果が出るとしても、それは元々が優秀な、
偏差値70以上の学生に限った話ではないでしょうか。
それ未満の学生は大して成果が出ないし、むしろ悪化すると思います。
理由は、繰り返しになりますが、訓練の時間・学ぶ量が減り、
ひいてはそういった「詰め込み」への耐性すらも減衰するからです。
少量の知識と思考でうまいこと戦ってみようなどというのは
極めて傲慢な考えですし、先人たちの知性の累積に対する敬意の欠乏そのものです。
(まあ、この予測が外れるかもしれませんし、私が間違っている場合も大いにありますが、外れたら外れたでそれに越したことはありません)

 

訓練への耐性の弱体化も問題ですが、
さらに別の問題が浮上することも予想されます。
「思考力を大事にしよう。思考力重視のカリキュラムや入試に変更しよう」
一見筋が通っていそうで、実は大前提が成立していないこの理屈は、
昨今言われがちな「格差」をさらに招くのではないかと予想しています。
いわゆる「教育格差」です。
一定以上優秀な学生においてはそれなりによい成果が得られる一方で、
そうではない大半の学生にとっては単に「詰め込みがゆるくなった」分だけ
知的な力が落ちるのですから、両者の知的格差は広がる結果となります。
上はさらに上に上がって、下はさらに下に下がるイメージです。

また、偏差値70前後の学生(所属高校の偏差値ではなく学生個人の実力が)ほど、
要は優秀な学生であるほどに詰め込みへの耐性、体力がありますので、
実は詰め込み学習については大した不満もないと思います。
(つまらない、めんどくさいくらいには思っているでしょうが)
むしろ

 

「何事においても一定以上のレベルに達するまでは単純大量暗記もやむをえない」

 

という現実を受け入れていると思います。
詰め込みのつまらなさ、無味乾燥さについて何かと大きい声で愚痴を言いがちなのは
偏差値70未満の学生だと思います。
しかも、詰め込み的な訓練を大して通っていない学生がほとんどだと思います。
(なお、MARCH以上に受かった人は愚痴を言ってもOKです。
 MARCH以上は、詰め込みを一定以上こなさないと絶対に合格できないからです。
 そういったハードルを越えた人は「詰め込みはつまんねえよ」と批判する資格があります)
悪い言い方をすると「弱い奴が試練を越えもしないで試練内容を批判している」のです。
これはただの甘えです。

 

「詰め込みは面白くないから、じゃあ探求型学習でならなんか自分にもできそうかな」

 

と思うきっかけを大半の学生に与えられること自体はいいのですが、
それはあくまできっかけであって本筋ではありません。
重要なのは探求型学習によるとっかかりの面白さや気楽さではなく、
詰め込みなどの訓練への耐性をつけさせることです。

 

もちろん、ただただ「いいから全部暗記しろ」では無理がありますので、
暗記の方法、訓練のコツなども同時に伝授しながらでの話です。
そもそも、自発性や主体性を身につけさせたいというのであれば、
いずれ我流で学ぶにしても必ずどこかの領域で

 

「この分量の知識を詰め込まなければスタートラインにすら立てない」

 

という事実にぶち当たるわけです。
その時に探求型学習メインで育てられた子供の何%が「詰め込み」領域に耐えられるのでしょうか。

 

「うーん詰め込みとか単純暗記はなんかつまんないな、他にそういうのじゃないのないかな」

 

と逃げる確率はかなり高いかと思われます。
(当塾の塾生でも、地頭のいい子は一定数いますが、
 当塾の独学訓練手法に慣れるまでは「もうちょっと別のやり方ってないんですかね」

 的な意見が出ることもしばしばです。
 ストレス少なめの暗記法・要領を教えてもなお、そうなる確率が高いのです。
 地頭の強い子でもそうなる確率が高いのですから、そうでない子ならなおさらです。
 負荷の少ない手法に逃げたくなるのが人間です。
 上記のような塾生には「いずれ人生のどこかで必ず単純大量暗記の壁に

 ぶち当たるんだから、その時のためにも今から慣れておいたほうが

 いいからやんなさい」と回答しています)

知識を仕込まないと人間は、思考を始めることすらできません。
詰め込むことから逃げて、考える力だけを養おうなんてのは甘ったれの言い草です。
指導カリキュラムは探求的になっても、
肝心の大学入試の試験内容は依然として詰め込みを前提とした内容なのですから、
探求型の指導内容は、意味のないカリキュラムなんじゃないかなーと個人的には思います。

また、共通テストにおいてもやはり詰め込みを避けて通ることはできません。
共通テストは国が実施する試験ですから、一定程度思考力を問う問題の分量が多くなってはいますが、それでも全体の50%は依然として知識詰込み型の構成になっています。
知っていなければ解けない問題が50%ということです。
思考力を問う問題においてもやはり最低限の知識は必要で、
「思考力を問う」問題だからと言って
「思考力『だけ』を問う」ているわけではないのです。


まとめに入ります。
繰り返しになりますが、
探求型学習が効果を発揮するのはあくまで

 

「詰め込みに十分耐性があり、それを一定程度突破した学生(偏差値70前後の学生)のみ」

 

です。(私見ですが)
それ以外の学生にも多少の効果はあるかもしれませんが、
しかし大勢として受験学力的な力を養うには至らず、志望校合格につながらないのですから最終的にあまり意味がないのではないかと思います。

基礎体力も鍛えず、筋トレもこなしていない奴が、
大会本番で勝てるわけがないじゃないですか。

 

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