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ここがヘンだよ興譲館その1~教育手法編~

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ここがヘンだよ興譲館その1。教育手法編。

語ってみたいと思います。

先に結論から申しますと
「小中学校までに有効な教育法を、興譲館はそのまま高校教育に用いておりそれは不適切である」
というのが今回の趣旨です。
興譲館の拘束の体系に不満や不安を感じている学生の方」には有意義な内容になるかと思います。
そうでない方にはほぼ無意味なので本記事を読む価値はございません。
以下、説明します。

興譲館の教育法のおおまかなテーマは
「解説なしの難易度高めの課題を大量に与えて自分の頭で考える力を養おう」
です。
このことについて高校側が自覚的かどうかはわかりませんが、
私が見聞きする範囲の課題(主に英数)を見た感じでは、
このような思想が込められているのは明白です。
さて、私は「解説なしの課題を与え、自分の頭で強制的に考えさせる」
教育法それ自体については全否定する意見の人間ではありません。
一定程度の効果は有していると考えています。
しかし、これを実施する時期と学力レベルによっては
「完全に間違った手法である」と言わざるを得ない
ケースが多いとも考えています。
さらに詳しく述べると
「小中学校までなら一定程度かつ一部の人間にのみ有効である。
 が、高校以後の学習においては明らかに非効率かつ勉強量の絶対的な不足を招く」
ということになります。
小中と高校という時期の適性についてもそうですが、
「どの層の学生に対して有効か」というレベル論も重要になってきます。
こういった「解説少なめ難問教育法」が有効な学生の層は
端的に言ってしまえば「名門高校を受験する層」です。
それ以外の層の学生には大した効果は見込めないと私は考えています。
思考力増強に特化した訓練が有効なのは、「既に一定以上の思考力を有している学生の層」だけです。
これは例を用いて解釈するとわかりやすくなります。
日本語の50音を知らない人に
「答えは教えないけど、どうにか自分の頭だけで考えて作文して」
という課題を出すことがほとんど無意味なことは誰にも理解できることだと思います。
(まずは50音を覚えることが必要なステップです。
 つまり思考の前に、知識を一定以上詰め込むことが必要なのです。)
多少極端な例ではありますが、興譲館がやっていることは実質この無茶ぶりと同じです。
思考力というのは一定以上の知識の裏付けがあってこそ発揮されるものです。
日本語の基礎知識がなければ日本語の作文を自分の頭で考えて実施することはできません。

また、興譲館に在籍している学生の大半は「名門高校を受験する層」ではありません。
勉強は得意ですが、トップ中のトップの能力は有していません。
こういった層に対して「難問ぶん投げるだけ教育法」は無意味どころか逆効果です。
その結果生じるのは「学生の3層への分断」です。

興譲館の手法に関係なく難関大に合格する層
(この層は興譲館のシステムに関係なく他の教育サービスを各自利用しているor生育環境近隣に
 ハイレベルな人間が存在するのどちらかであり、そもそも独学する力が高いです)
興譲館の手法にフィットする層。山大前後のレベルの大学志望。
興譲館の手法に全くついていけない層。
(この③の層の中には、興譲館の手法と相性が悪いがゆえに成績不振という結果に陥っているが、
 興譲館の手法ではないもので訓練した場合に山大前後よりも上のレベルに到達できる可能性が
 高いものが一定数存在する)

①の層については特に言うことはないです。
問題なのは②の層の中に一定数いるであろう
「潜在能力的には山大前後よりも高いレベルに行ける層」と
③の層の中の「潜在能力的には山大前後orそれ以上に行ける層」です。

私が本記事で最も主張したいことは
興譲館の手法では潜在能力を引き出せない生徒が結構な数いますよね」
という話です。
繰り返しになりますが、その根拠は
「教育手法の時期と対象学生を間違えているから」
です。
そこをさらに掘り下げて、
「高校ではどのような教育手法が効果的か」
について語っていきたいと思います。


「解答解説なしの難問で頭を使わせる教育法」は、興譲館以外の学校、塾でも
一部採用されています。浜塾、宮本哲也氏の塾、その他の一部地方塾です。
浜塾では灘高校、ラサール高校に合格者を多数輩出していたようです。
しかしこれらの塾は、対象となる学生が全て小中学生です。
小中学生までのトップ中のトップ層にはこの手法は有効なのでしょう。

この手法で難関大合格者を多数輩出している高校、予備校は私の知る限り存在しません。
理由は簡単です。
「大学受験の勉強は、完全に知識勝負」
だからです。
もちろん思考力を問われる問題は存在しますが、
それも前提として膨大な知識を詰め込んだ上での思考力を問う問題であることは論を待ちません。

大体、興譲館の方法論が正しいのなら、難化が著しい2022共通テストにおいて
顕著な点数低下は見られなかったのではないでしょうか。
私の見聞きした範囲では著しく点数を落とした学生が多数いたとのことです。
今回の共通テストはまさに「知識以上に思考力を問う」テストでした。
(「思考力を問う」という建前の無茶ぶり問題が多かった印象ですが・・・)
なぜ芳しい成果を上げられない興譲館生が多数発生したのかは言わずもがなです。
「思考力を鍛える手法を実施していたつもりが、実際には思考力が鍛えられていたわけでもなかった」
からです。その結果興譲館は、多数の学生に
「志望校を2ランクほど落とさせる」決断を迫るハメに陥ったのです。
このことについては別途記事を記します。

繰り返しになりますが、大学受験において重要なのは思考力以上に膨大な知識です。
そして膨大な知識吸収のためには、授業ではなく自学自習による暗記こそ効率的です。
そのためにも学校側が授業や課題を増やし過ぎて学生の可処分時間を削るべきではありません。
難関大あるいはその手前くらいの大学に合格した興譲館生の大半は、
高校ではなく何らかの予備校、教育サービスをメインに据えた学習を実施した人々であると推察します。
私が観測した興譲館の課題だけをこなしてそのレベルに至るのは不可能ですし、
学校の授業や課題に依存していたのでは、そもそもこなすべき絶対量が足りないからです。
仮に興譲館のシステムにのみ依存している生徒が難関大に合格したのだとしたら
それは興譲館が優れているのではなく、
たまたまその学生自身が優秀だっただけでしょう。
いずれにしろ多くの学生に効果を発揮するカリキュラムではありません。
興譲館を信頼しきって他の策を講じない学生は山大前後の大学に行く層だと思われます。
(最初からそれが第一志望なら何の問題もありません)

高校側が生徒を大学に押し込む責任を背負って気負いすぎて
生徒の時間を奪うのは正しくないと私は考えます。
大学受験に必要なのは、自学でこなす大量の情報処理であって、大量の拘束時間ではありません。
「学校側が気負い過ぎて学生の伸び代の邪魔になっている」
このアンバランスさは可能な範囲で是正されたほうがいいと考えます。

そろそろ本記事も完結しますが、
興譲館の教育手法を総括すると
「山大前後を第一志望とする学生にとっては学校側が世話を焼いてくれるとてもいい学校だが、
 潜在的に山大以上を狙える層or興譲館の手法と相性が悪い層からすれば
 時間を奪われるだけの非効率な偏ったシステム」
ということになります。
さらに私の個人的な意見を述べれば
「そういった層の学生の邪魔をしないでほしい」
というのが私の結論です。
せめて課題や授業は選択制にして、自分の時間を確保したい学生はさっさと帰らせて家で
自由に勉強できる環境を作らせるべきです。
高校3年生にもなったら、希望する学生に関しては午後2時過ぎくらいには解放すべきでしょう。
課題についても強制的に与えるのではなく、選択性にしたほうがよいと考えます。
そうすれば興譲館の合格実績も向上し、学校の偏差値もあと3~6は上がるでしょう。
興譲館の手法を信用し、それに拘束されて学力を向上させたい生徒はそれを選べばいいだけの話です。
全体一斉に拘束時間を増やしているのがとてもまずいのです。

ちなみに、興譲館が掲げている「受験は団体戦」も間違っています。
その論理で行くと興譲館を卒業した浪人生は戦う力において他に劣るということになってしまいます。
まあ、これは多分興譲館の運営側もほぼそう思っていることは間違いないと思います。
浪人生が個人で戦うことについてはほとんど期待していないからこそ、
現役時の学校の拘束時間を増やしているのです。
勉強ってそんなに底の浅いものではないのですが。

本記事が、興譲館の拘束の体系に不満や不安を感じている学生の方の一助になれば幸いです。